DETAIL
TRIFARI(トリファリ)社の、1950年母の日の広告「For a Jewel of a Mother」で紹介された、アルフレッド・フィリップ(Alfred Philippe)デザインによる、青い忘れな草のヴィンテージ・ブローチです。
Trifanium(*)トリファニウム・ゴールドトーンのメタル素材で、葉は透かし細工で細かく模られ、ブーケのお花にはターコイズブルーのガラスモールドで作られた、可愛らしい花びらがはめ込まれています。
1950年にアルフレッド・フィリップ氏により意匠登録された作品で、裏側には「PAT PEND」の刻印がございます。
重厚で作りの良いTrifaniumのメタルとポップなガラスモールドの美しいコンビネーション、立体的で小ぶりながらも存在感のあるブローチです。
*Trifanium:トリファリが開発した独自のメッキ技術で、経年を経てメッキが"剥がれる"ものに比べ、Trifaniumはゴールドが薄れるような感じで、自然な美しさが保たれています。
メタルの変色は磨けばもう少し明るくなるかと思いますが、アンティークルックの風合いが美しいので、このままの状態でお送り致します。
レトロな雰囲気がまた可愛らしいフラワーブローチです。
ブランド: TRIFARI(トリファリ)
サイズ約: 一番長いところ 縦5.2cm x 横3.2cm
材質: ゴールドトーン・メタル、ミルクガラスモールド
刻印: クラウンマーク+TRIFARI PAT. PEND.
【コンディション】VERY GOOD
メタルに経年による変色とやや黒ズミ、ミルクガラスに薄いひび割れ線(この製品にありがちで、支障ないもの)がみられます。
大きな傷みなく、全体的には美しいコンディションです。
TRIFARI(トリファリ) |
トリファリ(TRIFARI)・ジュエリーの歴史は、1910年にイタリアから移住した熟練の金細工師のグスタボ・トリファリ(Gustavo Trifari )が、ニューヨークで会社を設立したことに始まります。
当初は髪飾りを製造していましたが、その後高品質のコスチュームジュエリーへと発展しました。
1925年、レオ・クルスマンとカール・フィシェル(Leo Krussman and Carl Fishel )と提携し「KTF」となり、またその後にはTRIFARIという単一ブランドに戻ります。
転換期となったのは1930年、同社の発展に大きく貢献したデザイナーのアルフレッド・フィリップ(Alfred Philippe)が入社したことです。
フィリップは、1937年頃に導入されたクラウン・トリファリ・マークを含む、高度な技術をブランドにもたらしました。
当時のコスチュームジュエリーではほとんど見られなかった、インビジブル・ストーンセッティングなどの技術を含む、高い職人技が確立されました。
トリファリは、変化するファッショントレンドに適応し、手頃な価格でありながら、まるで宝石のような洗練されたジュエリーを提供することで、一流のコスチュームジュエリーメーカーへと成長しました。
手の届くラグジュアリーとしてトリファリは、高価な貴金属や宝石の外観を模倣した美しく芸術的なコスチュームジュエリーの制作に優れ、一般の女性にも手の届く価格を実現。
また、ロジウムメッキや、第二次世界大戦後には独自のゴールドトーン合金「トリファニウム」など、革新的な素材の使用で知られていました。
ブロードウェイやハリウッド映画界などへも多く制作を手がけ、1950年代には当時の大統領アイゼンハワー大統領の夫人が愛用したことでも有名になりました。
1952年Trifariが死去後、彼の息子らによって家族経営がしばらく継続されるも、 1970年代にはホールマーク社(Hallmark)、1994年にはMonetグループに買収され、2000年代にはリズ・クレイボーン(Liz Claiborne)社に(Trifariがその傘下に入っていた)Monet社が買収された為、生産は続けられるも品質が低下し、実質的にはその時代に幕を閉じたと言えるでしょう。
2000年代以降には大量生産されたり、刻印がないものも存在します。
アルフレッド・フィリップ(Alfred Philippe)
1930年から1968年までヘッドデザイナーを務め、カルティエとヴァン クリーフ&アーペルで培った技術をトリファリに持ち込み、同社の成功に大きく貢献しました。
トリファリの王冠
1937年頃、品質とエレガンスの象徴として、象徴的な王冠マークがトリファリのシグネチャーに追加されました。
トリファリは、1930年代の大胆なアールデコ様式から20世紀半ばのエレガンスまで、トレンドを巧みに乗り切りました。
特にアルフレッド・フィリップがデザインした作品は、その職人技とコスチュームジュエリー市場における歴史的重要性により、今日でも高いコレクターズアイテムとなっています。 |