AVON(エイボン)
一滴の香水から始まった、女性たちの輝きの物語
【1886年、小さな香りが導いた転機】
1886年、ニューヨーク。創業者のデビッド・マコーネル氏は、旅行本のセールスマンでした。
売れ行きに悩んでいた彼は、自ら調合した「香水のサンプル」を、本を買ってくれた女性たちへおまけとして配り始めます。
すると、本よりも香水への問い合わせが殺到するという予期せぬ事態に。
彼は即座に「カリフォルニア・パフューム・カンパニー」を設立。
これが、のちの世界的な巨大ブランド、AVONの誕生の瞬間でした。
【エイボン・レディ:自立と経済的機会の先駆者】
1939年、シェイクスピアの故郷を流れる川にちなんで社名を「AVON」に変更。
同社は、アメリカで女性参政権が認められる数十年も前から、独自の対面販売モデルを通じて、多くの女性たちに収入を得る機会を提供してきました。
1954年に始まった伝説的なキャンペーン「Ding-Dong, Avon Calling!」のチャイムは、単なる流行ではなく、女性が社会と繋がり、自らの手で輝きを掴むための象徴となりました。
【ティファニー買収から名作誕生へ】
1970年代から80年代にかけ、エイボンはさらなる飛躍を求めて多角化を推進します。
1979年にはTiffany & Co.(ティファニー)を傘下に収めるなど、この時代背景が示す通り、当時のエイボンはジュエリーに対しても並々ならぬ情熱を注いでいました。
ケネス・ジェイ・レーンなどの伝説的デザイナーとのコラボレーションは、現在もヴィンテージ市場で「コレクタブル・ピース」として極めて高い評価を受けています。
【時を経て愛される「光のアーカイブ」】
香水瓶と同様に「使い終わった後も飾って楽しめる」という遊び心あふれる精神は、ジュエリーのデザインにも色濃く受け継がれています。
1990年代にはスミスソニアン協会との提携による歴史的コレクションを発表するなど、文化的な深みを持ち続けてきました。
かつてエイボン・レディがカバンに詰めて運んだあの胸が高鳴るような喜びは、今も色褪せないヴィンテージの輝きの中に息づいています。
「日常のなかに、小さなときめきを」
Antique Voyageでは、そんなAVONの膨大なアーカイブの中から、現代の装いにも優しく寄り添う、物語に満ちたピースを厳選してお届けしています。
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