ワイヤーが奏でる、小さな生命の「ネスト(巣)」
JEANNE(ジャンヌ)を代表する、ワイヤーワークを駆使した鳥の巣とパールの卵、そして小鳥をモチーフにしたヴィンテージ・ブローチです。
同社が得意としたフィギュラル(動物)デザインの中でも、ブランドを象徴するアイコニックな作品。
ゴールドトーンのメタルワイヤーを複雑に絡み合わせた造形は、上から見るとまるで本物の鳥の巣のようなリアルさです。
巣の中には、卵に見立てた3つの小さな人工パールが静かに宿り、その横には愛らしい小鳥が、未来の生命を優しく見守るように佇んでいます。
細部まで作り込まれた緻密な職人技と、ウィットに富んだ意匠が融合した、ジャンヌらしい「遊び心」が詰まった作品です。
胸元に宿る、立体的な物語
横から眺めるとよくわかりますが、本物の巣のように厚みがあり、豊かな立体感を備えています。
そのフォルムはどことなく「王冠」を思わせ、カジュアルなモチーフながらも、どこか品格を感じさせる造形です。手仕事ならではのやわらかな表情が宿る仕上げ。
小ぶりなサイズ感でありながら、胸元に確かな存在感を添え、可愛らしさの中に落ち着いた品を醸し出してくれます。
日々の装いに自然と馴染みつつ、さりげない個性を引き立ててくれるブローチです。
刻印の有無を越えて感じられる、ジャンヌの造形美
JEANNE(ジャンヌ)の作品には、本体に直接「JEANNE ©」の刻印が施されたものと、当時紙タグ等で販売され、刻印のないまま流通していた個体が存在します。
こちらは後者の「刻印なし」の個体となりますが、造形や細部のパーツ構成は一致しており、いずれもジャンヌの真作と判断しております。
今期アンティーク・ボヤージュでは
刻印のあるタイプも同時に入荷いたしました。
比較画像をご覧いただくと、ワイヤーの細かな重なりやパールの配置に加え、中央のパールを支える仕様にも違いが見られます。
爪(プロング)が添えられたタイプのものもあれば、本品のように爪を設けず仕上げられたものも見られます。
いずれも接着によって固定されたつくりであり、同じデザインであっても、その時々の製造によって細やかな違いが生まれています。
こうしたわずかな違いは、当時の製造工程における自然な「ゆらぎ」として、ヴィンテージジュエリーでは広く見られるものです。
刻印の有無にかかわらず、それぞれが辿ってきた時間や背景を映し出すひとつの表情ともいえます。
今回お届けするブローチだけが持つ、このささやかな個性を、ヴィンテージならではの魅力としてお愉しみいただけましたら幸いです。
| ブランド | JEANNE(ジャンヌ) |
| サイズ | 約 横3.8cm(鳥の尾から巣の左端まで) × 縦2.7cm × 高さ1cm |
| 材質 | ゴールドトーン・メタル、人工パール |
| 刻印 | 刻印なし |
| コンディション | Excellent
表側はメタル、人工パールともに目立つような傷みはなく、とても綺麗なコンディションです。裏側も含め、全体的に良好な状態を保っています。
※裏面画像に撮影時の映り込みがございますが、商品自体の状態には影響ございません。 |
※ヴィンテージ品のため、経年によるごくわずかなスレや風合いが見られる場合がございます。
※ジュエリーのみのお届けです。アンティーク等の撮影小道具は含まれません。
ETERNAL PROLOGUE ―― 私の想い
私にとってこの鳥の巣のブローチは、コスチュームジュエリーの世界へと惹かれるきっかけとなった、とても思い入れのある一品です。
当時はまだアンティーク雑貨を中心に集めていた頃でしたが、このブローチを初めて目にしたときの胸の高鳴りは、今でもはっきりと覚えています。
造形の細やかさ、ゴールドの温かな色味、そして巣の中に静かに収まる3つのパール。
それまで意識していなかった「ジュエリー」というものが、突然、生きた表現として目の前に現れた瞬間でした。
数ある鳥の巣モチーフの中でも、ジャンヌのデザインはやはり特別です。
繊細なワイヤーワークは本物の巣のように緻密で、やわらかなゴールドの風合いは装いに自然に馴染み、静かな存在感を添えてくれます。
あれから十数年が経ち、気づけばヴィンテージジュエリーは私の世界の中心になりましたが、その入り口にはいつもこのブローチがありました。
今回は刻印がないタイプのご紹介となりますが、その造美は刻印があるものと何ら変わりません。
特に、こちらのコンディションは素晴らしいので、ぜひおすすめしたい一品です。
かつての私を新しい世界へと連れ出してくれたこのブローチが、次の誰かの「はじまり」になりますように。
そんな想いを込めて、大切にお届けいたします。
Antique Voyage フィッシャー

(画像は拡大してご覧いただけます。)
Antique Voyage Magazine
ジャンヌが描く、幸福を運ぶ「巣立ちの物語」
なぜ、ジャンヌのモチーフは「心」に響くのか
ヴィンテージ・ジュエリーの世界で、JEANNE(ジャンヌ)のアニマルモチーフがコレクターを魅了してやまない理由。それは、単なる装飾に留まらない、まるで絵本のワンシーンを切り取ったかのような「物語性」にあります。
今回の鳥の巣に見られるように、親鳥が愛を込めて編み上げたような複雑なテクスチャーを、金属という硬質な素材で見事に表現する造形力。そこには、1919年の創業から半世紀以上にわたり貫かれた、職人たちの温かな眼差しが宿っています。
「鳥の巣」に込められた、古くからの幸運のジンクス
欧米では古くから、庭に鳥が巣を作ると「その家には幸運が訪れる」と言い伝えられてきました。
ジャンヌはこの幸福のシンボルを、あえて大げさな宝石で飾るのではなく、マットなゴールドの質感と上品なパールの輝きで、奥ゆかしく形にしています。
1960年代前後に作られたこれらの作品は、閉業後の今、二度と再現されることはありません。身に纏うたびに優しい気持ちになれるような、ジャンヌ特有のウィットと愛情に満ちた世界観。
その「唯一無二の存在感」こそが、私たちがジャンヌに惹かれてやまない一番の理由です。
Artistry in Every Detail
細部に宿る、遊び心と確かな品質
JEANNE(ジャンヌ)
【1919年、ニューヨークに刻まれた始まり】
アメリカ人宝石商マーク・ドッテンハイム(Mark Dottenheim)により、1919年10月にニューヨークで設立。当初は真珠製品の製造から事業を開始しました。名門ブランドがひしめくニューヨークにおいて、半世紀以上にわたり独自の美学を貫いたジャンヌは、1960年のマークの逝去とともにその歴史に幕を閉じました。創設者の生涯とともに歩んだ、潔くも美しいブランドです。
【職人技が光る、フィギュラルの造形美】
ジャンヌの最大の魅力は、動物や昆虫、植物などをモチーフにした、生命力あふれる「フィギュラル」なデザインにあります。特にワイヤーワークを駆使した立体的な構造や、細部まで作り込まれた緻密なディテールは圧巻。高品質な合金に厚手の金メッキを施し、宝石さながらの色彩豊かなラインストーンや人工パールを配した作品は、当時のコスチュームジュエリーの中でも、ひときわ存在感を放っていました。細部にわずかな個体差が見られる点も、手仕事ならではの魅力のひとつといえるでしょう。
【コレクターを魅了する、希少なヴィンテージ】
大量生産の波に飲まれることなく、一つひとつの作品に「JEANNE ©」の刻印を刻み、丁寧に世に送り出されたジュエリーたち。この刻印は、ブランドとしての誇りと品質への意識の高さを今に伝えています。1960年の閉業以来、一切の再生産が行われていないため、現存するピースはすべて当時のオリジナルであり、今では出会う機会も限られています。その瑞々しい感性と優れたコンディションは、現代のヴィンテージ・コレクターの間で根強い人気を誇っています。
【知性と遊び心を継承するピース】
Antique Voyage(アンティーク・ボヤージュ)では、ジャンヌが最も輝いた時代のエッセンスが詰まった作品を厳選。半世紀以上の時を旅してきたとは思えないほどの輝きを保つ、ヴィンテージならではの魅力を備えたコレクションをご紹介しています。手に取った瞬間に伝わる、しっとりとしたメタルの質感と、ウィットに富んだ意匠をお愉しみください。
Antique Voyage Curated Collection